※撮影車両はコンセプトカーです。実物と異なる部分があります。
車中ライフのスペシャリストたち
01.SPECIALIST-浅井 佑ー
旅を仕事に、仕事を旅にして生きる
2014年3月。道の駅全国制覇の旅へ

2014年、春。
キャンピングカー専門誌の編集部で働いていた浅井さんは、思うところあって、独立することに決めた。自由な生活を送っていた人々へ取材を続けるうちに、少なからず心動かされるものがあったのかもしれない。
それからしばらくは、あてもなく気ままに車中泊を続けながら、全国の道の駅を巡る旅に出かけることになる。

結果的に一月の半分を旅する生活を2年以上続けた浅井さんが、まだその当時は一般的とは言い難いワーケーションやノマドライフ、それに昨今話題のリモートワークといった、オルタナティブで多様な働き方の実践に人知れずいきついたことは、ある意味で自然な流れだと言えなくもない。こと、書くと言う生業においては、人が仕事を選ぶのではなく、仕事の方が人を選ぶということは、ままあることだ。

正直に、自由でいるための仕事

自由とは、本来何かを代償にしなければ得られぬものではない。とはいえ、求めることもしなければ、おそらくは与えられることもない。

「この仕事なら、車の中でも充分働くことができるのでは、という思いから実践していたのですが、知識としてではなく、それを肌感覚で体感できたことが、今につながっていると思います」(浅井)

そんな、世の流れより一足早くストレスフリーなライフスタイルを体感した浅井さんが、場所や時間を選ばず仕事をしたいならクルマほど適したツールはないと断言する。

そして、これから一日、共にすることになるBLACK GEARの広い荷室に腰掛けて、言った。

「ここなら何年でも働けそうな気がしますね」(浅井)

仕事のときはモバイルオフィスに様変わり

今回、BLACK GEARとともに向かったのは、神奈川県の三浦半島。浅井さんがかねてより取材してみたかったレストランを経由して、以前、道の駅への取材途中で気になっていたスポットを直接観に行くことに。

到着したのは、絶景が楽しめるレストラン、サンセットテラスasora。店の名前の通り、太平洋に沈む美しい夕日が楽しめる場所だ。家族で経営しているカフェメニューがたいそう魅力的で、話を聞いているだけであっという間に夕暮れを迎えた。

撮った写真は、クルマに戻って整理して、原稿とともに手早く仕上げるのが浅井さんのやり方だ。ネット環境さえ揃っていれば場所も選ばない。帰路に着く前に、荷室を仕事モードからリラックスモードへチェンジ。ほんの一手間でオフィスがリビングに早変わり。後は夜が更けるのを待つだけだ。

クルマと人の幸福な関係

もし、途中渋滞で到着が遅くなってしまっても、大丈夫。この荷室の広さなら、ホテル以上に十分な仮眠をとることができる。何より海辺の朝焼けや潮騒、心地よい風のそよぎを眠りながら待つ夜に、不安や孤独といった感情は無縁だ。

目覚めとともに開くリアハッチをキャンバスに、思い描いた理想のシーンをイメージする。それは、どんな最新の映像技術でも体験することができない、最高に贅沢な人生の演出であることを、浅井さんは知っている。

世の中のルールや働き方が変わっても、この光景はいつも変わらずここにあるのだと、もう何年も前から相棒だったような走りでBLACK GEARが、いつでも連れてきてくれる。

そんな、クルマと人との幸福な関係が、車中「職」の一番の魅力かもしれない。

ワーケーションが話題にのぼることが多くなった。いつ、どこで、どのように働くかも問われたとき、最も仕事が捗る空間として「車内」をお薦めしたい。荷室の広いキャラバンならテーブルを置いて、ポータブル電源にパソコンをつなげば、そこが仕事場に早変わりする。あとは自分のお気に入りの場所へ移動するだけだ。車中「職」のメリットはそれだけではない。仕事を休憩している合間のサーフィンや釣りなど、趣味の時間も気分次第でシームレスに切り替えることができる。シェアオフィスやコワークと違い、完全に隔離された個室でもあるため、衛生面で心配する必要がないのも昨今の仕事場を選ぶ上で大きなポイントになる。
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車中「職」に欠かせないのがポータブル電源だ。車内で電気が使えさえすれば、仕事の速度を大幅に上げることが出来る。パソコンやスマートフォンの充電をしながら、自分だけの空間でワーケーションを目指そう。
荷室を額縁のように見立てて、バックドアを海に開けばそこは一面の大海原。国外のリゾートにいる気分で海を見ながら豆を挽き、コーヒーを一杯。仕事の合間に至福のひとときを味わうことができる。オン・オフの切り替えがさっとできるのが車中「職」の醍醐味でもある。
アウトドア用の折り畳みテーブルを用意して、片側のベッドキットを座面にして腰掛ける。そうすれば荷室の広いキャラバンなら十分な仕事場に早変わり。荷室高1,325㎜、室内幅1520mmだから身体を動かせないこともないし、頭がぶつかる心配もない。
セカンドシートを5:5分割して跳ね上げることで生まれたスペースには、鍵付きのラックやケースを置いて、かさばる紙の契約書や秘匿資料などを格納しておこう。資料整理にはアウトドア用の収納ケースを使うと便利。また小型のスーツケースだと車外に持ち出すときにスムーズに移動可能だ。
仕事にはパソコン、スマートフォンのほかにもこまごまとした道具や資料が必要になったりする。サイドマルチパイプラックに小物入れを引っ掛けて固定すれば、すぐに道具を取り出すことができる。手に届くところに何でも置けて機能的だ。