2014年、春。
キャンピングカー専門誌の編集部で働いていた浅井さんは、思うところあって、独立することに決めた。自由な生活を送っていた人々へ取材を続けるうちに、少なからず心動かされるものがあったのかもしれない。
それからしばらくは、あてもなく気ままに車中泊を続けながら、全国の道の駅を巡る旅に出かけることになる。
結果的に一月の半分を旅する生活を2年以上続けた浅井さんが、まだその当時は一般的とは言い難いワーケーションやノマドライフ、それに昨今話題のリモートワークといった、オルタナティブで多様な働き方の実践に人知れずいきついたことは、ある意味で自然な流れだと言えなくもない。こと、書くと言う生業においては、人が仕事を選ぶのではなく、仕事の方が人を選ぶということは、ままあることだ。