






海外に住む親戚の勧めもあって、Bappa(バックパッカーの意) だったShotaさんがオーストラリアへワーキングホリデーに行ったのが、19歳。ほとんどしゃべれなかった英語も、日本人と一緒にいるうちは覚えられないと、思いきって、現地のコミュニティの輪に飛びこんだ。
おかげで3ヶ月もすればコミュニケーションには困らなくなり、しばらくしてフィリピンへ行ったときには、その英語のおかげでいまも一緒に旅をするルースさんと出会うことができた。
その後もShotaさんは行き先すら決めない、本当に自由な旅を世界各国で続けた。その足跡は、動画サイトの彼のチャンネルに今もしっかりと刻まれている。旅の途中で心動かされた瞬間にでくわすたび、自然と動画に記録し、投稿するようになったからだ。


2019年、日本に戻ったShotaさんは海外で出会ったバンライフ(VAN LIFE)を自ら始めることを決意する。ルースさんに日本の魅力をあますことなくその目で見せてあげたいという思いがずっとあった。
縁あって中古で良いキャラバンを購入し、実家の倉庫で車内を大改造した。慣れない手仕事に試行錯誤しながらも、これから二人で使っていく月日を思いながら、協力して作り上げた一台は、木の暖かみに包みこまれるようで、とても落ち着いた。「よく見るとでこぼこしてるでしょう?」とShotaさんが思い出しながら嬉しそうに言う。
自然とにじみでる個性を消してしまわず、一つ一つ特徴を認め、アレンジを加えて活かす。そうすることで、荷室は自ずと自分たちらしく仕上がっていった。




日本の旅のスタートは四国から。行き先はコイントスで決めた。ルースさんはもちろんのこと、Shotaさんも新たな発見をしながら、旅を続けている。
そんな二人が今回向かったのは南伊豆。景勝地で野生の猿を放し飼いにしているモンキーパークに、綺麗な夕日が沈むのを間近に見ることができる南伊豆夕日ヶ丘キャンプ場。たくさんの日本猿と、ここで見る夕焼けと星空を、ルースさんへのサプライズにプレゼントしたくBLACK GEARでの旅に誘った。残念ながら、その日はあいにくの空模様で、一緒に夕日も星空も、見ることは叶わなかった。
ブランケットをひざにかけ、静かな虫の声を聞きながら、熱いコーヒーを飲む。特に何かを改めて話すわけではないけれど、どこにいてもいつも通りのふたりでいられることが幸せそうな二人だった。今回は見せられなかった絶景は、また今度の楽しみにしておこう。




現在、仕事でパソコンの画面を通じ、Shotaさんは外国人に日本語を、ルースさんは日本人に英語を教えている。インターネットを駆使しながら旅を続けるのが、場所と時間に縛られず生活をするBappa Shotaスタイルだ。
クルマで移動し、仕事をし、食事をする。そんな風に車中「泊」を続けながら、旅する姿に憧れる人は多い。いずれどこか定住はするんですかという質問を言い切らないうちに「旅を続けますよ」ときっぱり。彼らの車中ライフはもうしばらくは続きそうだ。


























