いつの時代も、世界を変えていくのは新技術。「日産 アリア」でワクワクする未来を感じてください。

「日産アリア」を生み出したマイスターたち

電子技術・システム技術開発本部・AD&ADAS先行技術開発部 戦略企画グループ 部長
飯島 徹也

「ニッサン インテリジェント モビリティ」の象徴として日産の技術の粋を集めた「日産 アリア」の開発に携わったエンジニア達のインタビューから、このクルマに込めたエンジニアとしてのこだわり、革新的な技術を生み出した開発の裏側、そして「日産 アリア」に息づく日産のDNAをオリジナルコンテンツとしてお届けしていきます。

今回は、特定条件下でのハンズオフ走行も実現した世界初(*1)のインテリジェント高速道路(*2)ルート走行「ProPILOT 2.0」を開発した飯島から、「日産 アリア」に搭載する「ProPILOT 2.0」の先進性をお伝えします。

飯島 徹也

電子技術・システム技術開発本部・AD&ADAS先行技術開発部 戦略企画グループ 部長

2つのシャークフィンアンテナが運転支援技術に対する日産の本気の表れです

「日産 アリア」に搭載する「ProPILOT 2.0」では、カメラ、レーダー、ソナーによる360度周囲センシング、3D高精度地図データを使った道路状況の把握に加え、準天頂衛星システム“みちびき”からシグナルを受信。
自車位置をより正確に3D高精度地図データ上にマッピングできるようになりました。

GPSのシグナルは大気や電離層の影響を受け誤差が15mくらい出てしまうため、GPSだけで高速道路のどのレーンを走っているか認識することはできません。
「ProPILOT 2.0」では、カメラが捉えた映像をもとに補正を加えることで、前後方向で1m以内、左右方向で5cm以内の精度で3D高精度地図データ上に自車位置をマッピングしています。

「日産 アリア」では、さらに精度を高めるために、みちびきのセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)のシグナルを量産車で初めて利用しました。
GPSの誤差が15m前後なのに対し、CLASの誤差は50cm以下。

CLASのシグナルだけで走行している車線まで特定できるので、トンネルなどで信号が途切れても、トンネルから出て再びシグナルをキャッチしたら瞬時に3D高精度地図データ上に自車位置をマッピングし直すことができるようになりました。
「ProPILOT 2.0」を搭載する「日産 アリア」には、GPSに加えてCLASもキャッチしてナビ連動ルート走行の精度を高められるよう、ルーフ後端にシャークフィンアンテナが2つついています。
2つのアンテナは、日産が本気で技術を追求する証です。

どれだけセンシング技術が進化しても“走る”“曲がる”“止まる”がクルマの基本

日産に入社後はシャシー制御担当として、HICASや油圧アクティブサスペンションなどを開発しました。
次に運転支援技術開発の担当になり、FY33型シーマに搭載したミリ波レーダーを使った車間自動制御システムやアメリカ市場向けの車線逸脱防止支援システムなどを世に送り出しました。

私が運転支援技術の開発に携わるようになった頃、この新しい技術の捉え方は各社さまざまでした。
運転支援技術は外界を認識するセンサーなどの多くの電子部品を新しく使うため、多くの会社は新部品の開発を中心とした開発体制をとっていました。

しかし日産は初期の段階から「これは最終的に人間の認知・判断・操作という運転動作をクルマに置き換えていく開発だから、“走る”“曲がる”“止まる”というクルマの動きにどうつなげるかが要になる」と考え、シャシー制御技術チームを運転支援技術の開発の中核に置きました。

このことが今日までクルマとドライバーの信頼関係を大切にする技術開発につながっていると思います。
現在では多くの会社が運転支援技術をシャシー制御部門で統括するようになっています。

誰もが安心して使える自動運転化技術は自動車メーカーだから開発できる

自動運転化技術開発とは、人間の動作をひとつずつ機械に置き換えていく作業です。

最初は人の不注意やミスをカバーすることから始め、だんだんと操作全体を機械に置き換えられるシステムに進化させてきました。
自動運転化技術を人間の「頭脳」と「肉体」にわけて考えると、どれだけ“頭脳=コンピューター”が進化して緻密な指示を出せるようになっても、“肉体=クルマ”の土台が思い通りに動かなければその性能を十二分に発揮することはできません。

土台の性能は一朝一夕で高められるものではなく、磨き続けた技術と経験の蓄積の上に成り立っています。
これは長い歴史がある自動車メーカーだから成し遂げられること。
「日産 アリア」にも日産が積み上げてきたDNAが宿っているからこそ「ProPILOT 2.0」の頭脳は正確に肉体を動かせるのです。
「ProPILOT 2.0」を作動させると、人間より正確に車線の中央を走ることができます。
これは日産がお客さまに自信をもってお届けできる大きなバリューです。

まだ誰も体験していない最先端。それが「日産 アリア」です。

誰もが安心して使える自動運転化技術をお客さまに届ける。
これは我々の約束です。
新技術を開発する時も、常にこのことを意識して取り組んでいます。
将来的な完全自動運転を実現するためには、クルマが人間を超える能力を持たなければなりません。
「ProPILOT 2.0」で人間より正確に車線の中央を走れるようになったことが象徴するように、クルマを動かす部分は人間とほぼ同等のことができるようになっています。

「日産 アリア」には、最先端のコンピューティングと、電気自動車が融合することで実現できた“未来”が詰まっています。
ぜひそれを多くの方に感じてもらいたいですね。
まだ誰も体験していない最先端が目の前にあるってワクワクしませんか?
「いつの時代も、世の中を変えていくのは新しい技術である」と、私はこう信じています。

技術革新が生まれ、それをなんの心配もなく使い、人々の暮らしが豊かになることはエンジニア冥利につきますね。
ぜひ「日産 アリア」で、未来のクルマを感じてみてください。

*1 高速道路のナビ連動ルート走行と同一車線でのハンズオフ機能の同時採用が世界初(2019年7月現在 日産調べ)。
*2 高速自動車国道法の定める高速自動車国道、および、道路法の定める自動車専用道路。