STORY of New Kicks

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STORY of New KICKS

開発者の情熱に裏打ちされた、KICKS誕生のストーリー

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INTERVIEW with

  • 楠鉄平

    Program Design Director

    TEPPEI
    KUSUNOKI

    楠鉄平

    2007年入社。エクステリアデザイナー兼マネージャーとして日産パトロールなどを担当。新型キックスではエクステリア、インテリア、カラーデザインを取りまとめた。

  • 田中聡

    Exterior Designer

    SATOSHI
    TANAKA

    田中聡

    2007年入社。エクステリアデザイナーとして日産パスファインダー、日産ルークスなどを担当。新型キックスではエクステリアデザインに携わった。

  • 大庭安仁

    Color Designer

    YASUHITO
    OBA

    大庭安仁

    2016年入社。新型キックスは入社後初めて携わったフルモデルチェンジ車種であり、ボディカラーやマテリアル(素材)、表面処理・仕上げなどを担当した。

  • 中尾明文

    Interior Design Manager

    AKIFUMI
    NAKAO

    中尾明文

    2002年入社。日産ムラーノ、日産アルティマ、日産オーラなどを手がけ、インテリアマネージャーとして日産サクラを担当。新型キックスではインテリアを手がけた。

EXTERIOR

ゼロから作り上げ、
新しい一歩を踏み出す

「キックスを、ゼロから生まれ変わらせる」
フルモデルチェンジにあたって、開発チームはそう決意した。新型キックスがお客さまのもとへ届けられる数年前、プロジェクト始動時の出来事である。
開発チームは当初から、コンパクトSUVセグメントに革新を起こす覚悟で臨んだ。従来の親しみやすさは受け継ぎつつも、それ以外はすべて見直し、ゼロから作り上げる。そのビジョンのもと、プロジェクトは最初の一歩を踏み出した。

1枚のデザインスケッチの
衝撃

フルモデルチェンジは、デザインコンペティション形式で進められた。世界各国で活躍する日産のデザイナーたちが想像と創造を競い合い、最も画期的なアイデアが選出される形式だ。
Exterior Designerの田中は「“タフ”というキーワードをベースに、日本、アメリカ、ヨーロッパなどのデザイナーがイメージを膨らませていきました。集まったアイデアはどれもユニークなものでした」と振り返る。しかし、それらは唯一無二の個性を本当に打ち出せているか。検証と議論が続いた。
そんな折、アメリカチームが提出した1枚のデザインスケッチに衝撃が走る。そこに描かれていたのは、アメリカンフットボールのヘルメットに着想を得たエクステリアだった――。

既成の枠にとらわれない
アイデア

アメリカチームのデザインスケッチはコンペ終盤に追加され、“ダークホース案”と呼ばれる有力候補となった。田中は「ひと目見ただけでタフさとプロテクト感が伝わり、アメリカならではの発想に魅了された」と振り返る。
Program Design Directorの楠は、その自由な発想に日産らしさを見出した。「日産はこれまで、他の何にも似ていないクルマやカテゴリーを生み出してきました。それこそが日産の強みです。新型キックスにおいても、既成の枠にとらわれず、自分たちが心の底からほしいクルマを作り上げようと話し合っていました。それを具現化したのがアメリカチームの案だったのです」。

遊び心のために
「ここまでやる」

キックスという車名はスニーカーの躍動感に由来する。田中は「スニーカーの俊敏に駆けるイメージを具現化するために、ソールのデザインから着想を得たディンプルパターンを取り入れました」と言う。新型キックスの遊び心を象徴するディテールだ。
ディンプルパターンは平面ではなく、僅かなくぼみ(=ディンプル)がある。それによって美しい光の陰影が生じるのだが、技術的なハードルの高さは前例のないものだった。
デジタルシミュレーションによる反射の検証、クレイモデルでの形状再現、熟練の職人による金型の仕上げ、機械加工の調整など、工程は複雑にして煩雑。想像を超える大変な作業に、関係者は難色を示した。それでも「やる価値がある」と信じ、それを周囲に熱く語り、説得した。その結果、「ここまでやるクルマは滅多にない」と言い切れる情熱が、新型キックスに刻み込まれた。

グレード別設定

美しさのために、
一切の妥協を許さない

新型キックスのボディに映し出される、美しい景色。その景色には歪みがほとんどない。通常ではあり得ないことだ。一般的に、クルマはバンパーやフェンダー、ドアなど、複数のプレス成型パネルを継ぎ合わせて作られる。成型や組み立ての過程でパネルの面やフチにわずかな歪みが生じるのは避けられず、映り込む景色の歪みにつながる。
一方、新型キックスは成形時の歪みが補正されるよう、金型形状や成形条件を手作業で調整した。コンマ数ミリの歪みを打ち消すために、検証を繰り返した。
技術のハードルは高い。しかし、追い求めた。なぜか?車体のリフレクションが美しいから。アメリカンフットボールのヘルメットの継ぎ目がない強い塊感を現したいから。そのディテールに、開発チームの揺るぎない情熱がほとばしっている。

INTERIOR

これまでにない、
我が家のような居心地

「コンパクトという制約の中で、あえて“包み込む”と“ひらく”という相反する価値観の両立に挑戦した」
Interior Design Managerの中尾は、インテリアのコンセプトについてそう語る。これは、初期段階で中尾が思い描いた構想を、エクステリアのプロテクト感に呼応させる形で磨き上げたアイデアだ。
インパネから前席ドアにかけて、継ぎ目のないラッピングを施すことで優しく包み込むようなプロテクト感を表現する一方、テーブル部分をファブリックラッピングにし、空間の抜けと柔らかい印象を演出した。「閉じることで安心を作り、ひらくことで心地よさを生む。それによって新しい居心地の良さを提案したい」と中尾は言う。
大黒柱を思わせる頑丈な構造体のインパネと、温かみのあるマテリアルで調えたモダンリビングのような空間。そこには、我が家のような安心感と居心地のよさが満ち溢れている。

100種類
ファブリックを
追い求めた先に

Color Designerとしてマテリアルに携わった大庭は、インテリアのファブリック(生地)を選ぶにあたって、100種類以上のサンプルを検証したという。
「上質な空間を目指す中で、室内空間を自分の部屋だととらえ、どこにどんな色や手触りのファブリックを置いたら心地よいだろうかと考えました。特にモノリスディスプレイに連なるテーブルは面積が大きく、空間の抜けや柔らかさにつながる重要な部分なのでこだわり抜きました」と振り返る。「ミクロの視点で繊維や質感を確かめ、マクロの視点でマテリアルのハーモニーを追求した」先にたどり着いたのは、見た目が美しく、触り心地もよい、日本のクラフトマンシップが息づくファブリックだった。

運転席に隠された
6.6°の傾き

コックピットの特徴の一つである、ワイドなモノリスディスプレイ。注意深く見ると、ディスプレイの左端が内側に傾いている。中尾は「内側に傾ければ運転席から見やすく、操作しやすいですが、一方で、傾け過ぎると窮屈に感じたり、助手席から見えづらくなってコミュニケーションが取りづらくなったりします。すべてを満たす最適な角度を探った結果、6.6°にたどり着きました」とそのこだわりを明かす。
ファブリックに包まれたテーブルは、モノリスディスプレイを操作する際のフィンガーレストの役割を果たす。インパネの両サイドには、目を引くカッパーゴールドのアクセント。大庭は「室内空間にプレミアム感をもたらすために開発した新色です。ボディカラーのレゾナンスブルーとも非常に相性がいい。インパネやドア周りはさまざまなマテリアルが組み合わさっており、妥協せずにこだわり抜いた証です」と胸を張る。

グレード別設定

PHILOSOPHY

お客さまの
自信に満ちた一歩のために

全く新しいコンパクトクロスオーバーとして生まれ変わった新型キックス。田中が「自分がユーザーとして乗ることを前提に、心の底から好きなものを詰め込んだ」と語る1台には、「乗るたびに新しい発見や愛おしくなるポイントがある」と大庭は言う。中尾は「駐車場に停まる新型キックスを見た瞬間、運転席に座った瞬間、あるいは運転している間、気持ちが高揚し、思わず笑みがこぼれる。そんな毎日の“相棒のような存在”になってほしい」と想いを馳せる。
そして、楠は「不確実な時代だからこそ、お客さまが安心して、笑顔で自信に満ちた一歩を踏み出す。そんな気持ちを作りたい」と願う。

型にとらわれない発想と、新しい価値創造への挑戦。
ディテールへのこだわりと妥協なき姿勢。
そして、唯一無二のクルマを作るという日産のDNA。

そんな開発チームの想いと情熱を乗せて、
いま、新型キックスが走り出す。
お客さまと共に、新しい一歩を踏み出すために。