右の写真、何をしているところかわかりますか？
実はブレーキパイプを手で曲げているところです。もとのパイプが錆びていて使えなかったので、現物の角度を参考に、同じような曲面の物に合わせたりしながら、ひとつずつ手作業で曲げていきます。正直、とても疲れる作業とか。

また、当時のクルマに使われていたネジも、今はほとんど作られていないマイナスネジ。普通に考えれば、今あるプラスネジを使うだけで解決しますが、そこに妥協しないこだわりが。ネジ工場に頼んで特注品を作ってもらい、これまでのレストア車にも使ってきました。
見えるところのこだわりだけでなく、見えないところや、細部の細部にいたるところまで、可能な限り、再現しています。

待ちに待った試走に向けて最後の仕上げ。各チームが修理し、磨き上げた部品が240Zに次々と取り付けられていきます。

現車確認会の時、謎だった「助手席パネルの時計跡」も無事に解決。「時計跡」には、残念ながら現物と同じ製品がなかったため、当時付けられていたものと同じメーカーの同じ時代の品を取り付けました。
「サイズが合わないジャッキ」は、相変わらず謎のまま。どなたかご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ日産Facebookページの「名車再生クラブ紹介記事」のコメント欄にて教えてください。

試走の日には、キックオフ会にも参加していただいた日産OBの野口隆彌氏も作業場に。磯部とともに当時を懐かしむように、レストアされた240Zをご確認。さっそく運転席にも乗っていただきました。誰よりも当時のクルマをよく知る野口氏の目にはどう写っていたのでしょうか。

タイヤを取り付けたあとは、エンジンを取り付け。試しにエンジンを動かしたときには、小さな歓声も。タイヤの泥除け設置やステッカーなどの細かな調整が終わったら、今回のレストア作業もほぼ終了。半年ぶりに屋外へと240Zが運びだされます。

作業用ピットの外に出された240Z。まずはエンジンをかけて、ライトなどの機器を確認。問題なし。
アクセルを踏み込み、構内の道路をゆっくり走りだした240Z。その背中を見守るメンバーたち。ここも問題なし。
そして、広めの構内道路へ向い、ロングコースを往復。軽快な走りこそ、今回のレストア作業が成功した証。
メンバーが交代で運転していくついでに、にっちゃんスタッフも助手席に同乗。ラリーカーならではの固いシートに驚きつつ、直接響いてくるエンジン音にもビックリ。初のラリーカー体験は、かなり衝撃デビューでした。

再生を果たした240Zは、翌週から各地のイベント等に参加。
12月1日（日）には待望の富士スピードウェイ！ NISMO FESTIVALです！！
名車再生クラブのメンバーが蘇らせたDATSUN フェアレディ240Zを、ぜひ会場でご覧ください。