カットモデル製作の裏側!
④一筋の影をも見落とさない、匠の目が仕上げる

美しい仕上がりと緻密な造りでクルマ業界内からも高い評価を得ている日産のカットモデル。
実はここにも日産の誇る匠たちがいます。彼らの作業を4回にわけてご紹介します。

いかに見やすいか、その追求がカットモデル最後の仕上げ。

1設計 2切削 3アクリル成形 4研磨・塗装・組立

塗装は研ぎがすべて。1つの手抜きが後悔になる。

金属部品とアクリル板は、組み立てに入る前に表面を磨き上げ、さらに金属部品は塗装を行います。その作業を一手に引き受けているのが、上部メイン画像に映っている、研磨と塗装のプロフェッショナル田川。
「本来、お客さまに見せることも、塗装することも前提にしていない部品なので、キレイに塗装を行うのはとても難しい」(研磨・塗装担当:田川)

金属部品やアクリル板を何度も繰り返しサンドペーパーで磨き上げ、表面の凹凸や細かな傷を丁寧に消していきます。磨いたあとは手で触ったり、ライトに当てて細かな影がないか確かめたりしながら、削り残しを確認。どんな凹凸も残しません。
「塗装は研ぎがすべて。目の粗いサンドペーパーから順番に10回以上磨き上げます。下塗りも10回くらい行います。1つでもラクをしようとすると後悔します」(田川)
クルマのボディのように滑らかな金属部品、どこから見てもくもりのないアクリル板。その当たり前を生み出しているのは、職人が精魂込めて手がける磨き上げの技でした。

右は研磨前、左が研磨後
右は研磨前、左が研磨後
研磨用サンドペーパー
研磨用サンドペーパー

組み立ては、お客さまに見やすくする最終仕上げ

カットモデル製作最後の工程は、完成したパーツを組み上げていくこと。組み立ても、設計図通りに行えばいいのではありません。
「日産のカットモデルの特徴はオイルをまったく使っていないこと。本来はオイルで金属同士を滑らせているところを、どうすれば本来の製品と同じスムーズな動きにできるのか、それをここで考えています」(組立担当:山口)
考えるのは動きだけではない。電気系統をお客さまに見えないようにどう配線するのか、万が一電球が切れたときにはどう交換するのかなど、内部構造やメンテナンスまで含めて組み立てを行なっていきます。
「組み立て時には動作チェックも行なっています。お客さまにとって見やすい動きになっているか、エンジンの回転数は最適か、音を再現するときは本来の音になっているかを重視しています」(山口)

組立を担当する山口
組立を担当する山口
何本もの配線を格納していく
何本もの配線を格納していく

「いかに見やすいか」へのこだわりが、日産のカットモデルの真髄

4回に分けてご紹介してきた日産のカットモデル製作の現場。全行程に共通していたのは「いかにお客さまが見やすいか」を追求するこだわり。クルマづくりの裏側を支える匠たちを、にっちゃんはこれからも追い続けていきます。