本物しか見せない。それが日産のこだわり。
![1設計 2切削 3アクリル成形 4研磨・塗装・組立](/SOCIAL/ARTICLE/20130129_001/IMG/002.gif)
設計図から作り始めるカットモデル
「カットモデルはクルマや部品を鋭利な刃物などでバッサリ切って作る」と思っている方も多いはず。しかし、日産のカットモデル製作は、実際のクルマの設計データを元にした3Dの設計図作成から始まります。
「製作依頼が来たとき、その部品のどこが訴求ポイントなのか、どう見せるのかを部品の開発担当者やデザインチームと何度も話し合います」(設計担当:石田)
エンジンならどのような構造なのか、どこに見せたい機能が組み込まれているのか、それはどう動くのかなどの事前情報を織り込み、PC画面内の3Dデータ(CAD)が石田の手によってカットモデルの設計図に変えられていきます。
「お客さまが見てくれたとき、ひと目で元の形をイメージできることが大切。エンジンはエンジンとして見えて初めて、中の構造を理解していただけます。切る部分と残す部分、そのバランスを取るのが非常に難しいです」(石田)
![3D CADによる設計図](/SOCIAL/ARTICLE/20130129_001/IMG/003.jpg)
![CAD設計を担当する石田](/SOCIAL/ARTICLE/20130129_001/IMG/004.jpg)
カットモデルは見て触って、動きまで楽しめるもの
カットモデルの大事な役割は、お客さまに機能や技術を伝えること。実際の部品と同じようにシリンダー内を動かしたり、CVTを変速させたりするためにはモーターなどの動力が必要です。
「モーターは本来のエンジンには付いていない部品。本物にない部品はお客さまには見せないように設計しています」(設計担当:小川)
お客さまの目に映る部分は基本的に実車と同じ部品のみ。しかも、年月が経っても汚れないように、油なしでシリンダー内などの金属パーツが動くように工夫してあります。その実現には10年以上もの月日がかかったそうです。
「実は日産のカットモデル展示には柵をほとんど付けていません。それは、動きを見るだけでなく、手で触って楽しんでいただきたいからです」(小川)
小川たちが特に見て欲しいと語るのがCVTのカットモデル。油を使わずにここまでなめらかに可変するカットモデルは世界でも数少ないとか。日産の技術力の粋がここにもありました。
![ピストン駆動用の追加モーター](/SOCIAL/ARTICLE/20130129_001/IMG/005.jpg)
![内部システムを設計する小川](/SOCIAL/ARTICLE/20130129_001/IMG/006.jpg)