デザイナーたちの愛車もキューブ。つくって、乗る。これが究極愛。
デザイナーであると同時に、キューブの熱烈な愛好家でもあった早川。
3代目開発者は2代目のファンだった?
「キューブは乗り心地もいいし、よく走る車」

そう、うれしそうに話すのは3代目キューブのインテリアデザインを担当した早川忠将。彼はもともとキューブのユーザーで、キューブへ強い愛情を持っていたようです。

「2代目キューブ(Z11型)の頃ってコンパクトカーがたくさん出た時期だったんですよね。だからこいつの発表会も行ってるんですよ」

当時違う会社でカーインテリアのデザインを担当していた早川はなんと、2代目キューブの発表会に足を運んでいた人の一人。そのエピソードだけでも彼がキューブに興味を持っていたことが十分伝わってきますが、実は話にはまだまだ続きがあるようです。
当時のデザインラフからも、広々としたシートや収納に室内の心地よさをできる限り取り入れようと模索した痕跡がうかがえる。
日産に行きたい、そう思わせた車
「2代目キューブは車っぽくないインテリアデザインで車のインテリアデザインを表現するという冒険的なデザインにトライしていた」という、早川。そんな彼にとって、この2代目はかなり衝撃的な車だったようです。

「初めてみたとき『まんま部屋じゃん。でもちゃんとクルマでもある』って思って。こういうのをやりたかった、ってことをそのまま日産が出してきたなって思ったんです。それが日産に行きたいというきっかけになりました」

その後、早川は強い情熱を持ち、本当に日産の面接を受けることになります。
まさか携わると思わなかった「3代目」
それでも、キューブ愛については面接で語らなかった、と早川。
「面接のときは面接官の方が僕のポートフォリオ見ながら一時間くらいずっと話していて、僕の面接なのに述べ5分も話させてもらえなかったんです(笑)」

キューブ愛には触れなかったものの、早川はこの面接を経て無事日産に入社します。そしてGT-Rのプロジェクトに参加後、3代目キューブのデザインチームに入ることになりました。

「その時は、まさか自分が3代目を担当できるとは思わなったです」と早川はいいますが、2代目の発表会で感動したそのときから、もしかしたらこうなる運命だったのかもしれません。キューブ愛の強さが、大役を引き寄せたといってもよいでしょう。
デザイナーたちのキューブ愛の強さこそがキューブを特別な車たらしめているのかもしれない。
2代目のデザイナーもキューブユーザー
その2代目のエクステリアデザインを手がけた、桑原弘忠もまた、キューブのユーザーの1人です。そう、キューブチームには、自分も乗っていた、乗っているという開発者が実に多く、キューブ愛にあふれています。

「お金がかからないですよね。燃費もいいし、維持費も安い。あと室内空間が広いので圧迫感がないのもいいですよね」

桑原の口からはスラスラとキューブの魅力が出てくる、出てくる。
「リラックスして乗れるし、あと座ったときのポジションがほかの車よりも高い位置。なので乗り降りも楽で使いやすいですね」

そんな彼は、どんな風にキューブを楽しんでいるのでしょう?
デザイナーのキューブの楽しみ方
「お風呂上りでも広々空間でのんびりできるというのがいいですね」と、桑原は秘境の温泉にまでキューブでドライブしているそう。

たしかにリラックスできる感じ、広々としたスペースだけど、「お風呂上がりにいい車」とは初耳でした。
「奥さんと犬を乗せてドライブしたりすることもありますよ。秘境の温泉などの狭い道でもスイスイ走れるのがいいですね」

このようにキューブを愛する人が手がけているから、キューブは人に愛される車になったのかも知れません。開発者たちの究極愛を感じながら、みなさんもキューブでドライブを楽しんでみてください。