苦難の末に生まれた、キューブの個性。”非対称デザイン”の誕生秘話
プロのベーシストとして活動するERYさんは、免許を取ってからしばらくは家族が所有する日産セフィーロに乗っていました。そこから自分のクルマを持つにあたり、テレビCMを見て「一目惚れした」のが当時発売したばかりのキューブZ11型。そこから気がついてみれば、約15年。ERYさんの仕事もプライベートも支えるパートナーとして、キューブとの関係は続いてきました。

「クルマの顔が好きですね。目っていうか、ライトがまんまるで。ほかの部分も四角と丸で構成されていて、リアのトランク部分のデザインが左右非対称になっていているところもちょっとあまのじゃくでかわいい」
アイボリーホワイトを選んだのは初めての自分のクルマを「長く飽きずに乗れるように」という考えからでしたが、ERYさんもまさか本当にこんなに長くなるとは思ってはいなかったそうです。

「すごく気に入っていて、使いやすいし、荷物もたくさんのるし、走行にも問題もないので手放す理由がないんです」
購入当時からプロとして音楽活動することを志していたERYさん。そのためクルマに求める条件は、まず「楽器や機材をたくさん積める」こと。一目惚れから実際に見てみようと店頭に行ってみると、コンパクトカーだと思っていったら、中が想像していたよりも大きいという外見と内側のサイズ感のギャップに驚いたそうです。
「車内の空間が四角くて曲線的じゃないので、同じサイズのコンパクトカーよりも荷物もいっぱい積めます。機材は四角いものが多いので、きっちりときれいに詰め込めるんです」
荷物はその日の仕事の内容によって異なるものの、ベース1、2本とアンプは必ず運ぶもの。さらに、大人の人間サイズのウッドベースを載せることもあるとか。また、キューブは移動の手段としてはもちろん、曲作りの空間としても活用しているそうです。

「ひとりで運転しているときは歌ったりしてもほかの人の迷惑にならないので、曲のアイデアの原型みたいなものはクルマの中でできることが多いですね」と、ERYさんの音楽活動においてもキューブの存在は大きいものだと教えてくれました。
これまでキューブと過ごしてきた時間を振り返ると、20代前半に4人の女性だけのバンドで活動していたときには、ERYさんのキューブで全国をメンバーを乗せて回っていたこともありました。各地のライブハウスで演奏するために楽器以外にも、着替えや炊飯器を積んで、メンバー4人と車中泊をしていたことも少なくなかったそうです。
「当時は荷物も人もぎゅうぎゅうのパンパン。後ろの人の足元まで荷物をつめていました。北は北海道にもフェリーに乗って渡ったし、南は九州まで行きました」
そんな相棒には名前もつけていて、その名は「豆腐号」。アイボリーホワイトのボディと四角いフォルムが豆腐に似ていることからのネーミングは、ごく親しい友人のみしか知らないそうです。

「走行距離はもうすぐ15万キロに達しますが問題なく走ってくれているので、豆腐号にはもうちょっと頑張ってもらおうかなと思っています。特にやり残したことはないけれど、これからもそっと寄り添っていければいいですね」

ERYさんと豆腐号の関係はオーナーとクルマを超えた域に達していて、ちょっとうらやましくなりますね。