TIIDA BLOGアーカイブス

エコドライブ

エコドライブの初歩的なテクニックやポイントなど今日から実践できるエコドライブをご紹介します。

エコドライブ

トップ > エコドライブ > 「達人のテクニックを学ぶ!」

「淵上の足」こと、パワートレイン実験本部の淵上夏次(ふちがみなつじ)「淵上の足」こと、パワートレイン実験本部の淵上夏次(ふちがみなつじ)

エコドライブ

「達人のテクニックを学ぶ!」

「エコドライブ=地球に優しい走り方=燃費の良い走り方」ということは知っているものの、具体的にどのような運転をすればいいのか分からない…、という方も多いかと思います。
日産自動車屈指のエコドライブの達人として、全国各地のエコドライブ講習会などで講義を行っている、パワートレイン実験本部の淵上夏次にエコドライブについて聞きました。

エコドライブについてインタビューした淵上とは、脅威の足技を駆使し、驚くべき燃費でクルマを走らせる達人。日産社内で開かれた社内燃費コンテストでは、ダントツの成績で優勝をおさめています。そのテクニックは「淵上の足」として広く知れわたり、全国各地で主催したエコドライブのイベントで講演、講習を行うほどになりました。

淵上のエコドライブのテクニックとは、いったいどのようなものなのか?簡単にできるエコドライブの方法から上級テクニックまで、エコドライブについて淵上に話を聞きました。

まずは普段どのようなお仕事をされているのかを簡単に教えてください。

淵上
「現在は、実用燃費向上技術戦略というものを担当しています。エンジンが完成してクルマに搭載された段階から、お客さまが操作すると考えられるあらゆる状況での運転を行い、その運転性能をチェックする業務です。

例えば、専用のコースでとても寒い日にいきなり乗って運転してみたり、最高速度で長時間の運転を行ったりします。乗ってみて快適であるかどうかを体感し、その内容を評価・解析・数値化するなどして開発部門へフィードバックすることを行っています。
また、さまざまなエコドライブ講習会で、参加された皆さまにエコドライブに関する話や、実際にクルマを走らせての体験講習も行っています」

燃費節約の運転技術は、業務を通じて身につけたものなのですか?

淵上
「入社当時の部署では“実用性実験”という業務を行っていました。例えば、時速80kmを維持したままステアリングを30度切って、その時の車両挙動や安定性を判断したり、といった実験を繰り返し行っていました。

*1 アクセル開度とは、アクセルを踏んでいない時を0、最大限踏んだ時を100とした時の踏み込み率のことをいいます。

37年にわたる経験から、指定されたアクセル開度*1やエンジン回転数、ATでの指定されたギアへの変速などは足をひと踏みするだけで合わせられるようになりました。またこのテクニックを使ってクルマの速度や変位を自由に操作することで、クルマと燃費の関係に注目してきました」

淵上さん監修によるエコドライブ入門の記事淵上監修によるエコドライブ入門の記事

そのアクセルワークひとつで、燃費の良い走りができるわけですね。燃費の良い走りをするためにはまず、何からはじめるのが良いでしょうか?

淵上
「運転において、まず覚えておいてほしいのは“エゴでなくエコ”という言葉。自分本位の運転方法は、地球にも、クルマにも優しくありません。エコドライブは優しい運転がポイントです」

優しい運転、ですね。

淵上
「気をつけるポイントはいろいろあるのですが、基本の3つをまずお伝えします。

1つ目は“発進”の時。クルマを発進させる時に、いきなりアクセルを踏まないこと。2つ目は“巡航”の時。速度の変動の少ない運転が、エコドライブの基本です。ブレーキはできるだけ踏まない、アクセルは一定の運転を心掛けてみてください。そして、3つ目は“減速”の時。停止位置を予測して、早めのアクセルオフがポイントです。

 

『ふんわりアクセル』イメージ図『ふんわりアクセル』イメージ図

まず、1つ目の“発進”についてですが、クルマを発進させる時は、最初に、ブレーキから足を離し、次に、クルマが動きだしたことを確認してから最後に、アクセルを踏むようにします。クリープ発進をする、ということです。

また、その時のアクセルの踏み方は常に“ふんわり”を心掛けてください。この踏み方を“ふんわりアクセル”と呼んでいます。“ふんわりアクセル”の数値的な目安は5秒かけて20km/h出る程度、と覚えておいてください」

動きだしてからアクセルを踏んで、5秒で20km/h。慣れないとちょっとムズムズしそうですが、でもこの“ムズムズ”が先ほど言われていたエゴですね。

淵上
「次に気をつけたいのが“巡航”の時。速度の変動の少ない運転を心掛け、アクセルをあまり踏みこみすぎないように意識することが大事です。クルマの速度変動を抑えるには、車間距離を十分に取ることも大切です。

そして、最後の3つ目は“減速”の時。停止位置を予測して、早めのアクセルオフをすること。例えば、60km/hで走行していて、近くの赤信号に気付いて60km/hの段階でブレーキを踏む場合と、同じく60km/hで走行していて、遠くの赤信号に気付いてアクセルオフ、惰性で進む200mの間に40km/hまで減速、そこからブレーキを踏む場合では、燃費の消費量は全く違います。3台前のクルマの動きを意識して、停止位置を予測しましょう」

前のクルマでなく3台先ですね。確かに3台先のクルマが止まれば、2台先、1台先のクルマも遅かれ早かれ止まることができますね。

淵上
「そうです。先にゆっくりと減速しておけばいいですよね。“この位置で止まるだろう”と、停止位置を予測し、早めにアクセルオフしましょう」

「発進・巡航・減速の3つのうち、まず始めに気をつけるとしたら?

淵上
「3つの中でも、エコドライブに一番効果的なのは“減速”です。どこで止まるのかを決めたら、早めのアクセルオフを心掛けること。次のポイントは“巡航”の時。目標速度に達したら、その速度をキープすることです。

50km/hを出したいために、60~70km/h出してから、ブレーキをかけて調整する走り方をする方がいますが、それは燃料のムダが非常に多い。緩やかに加速して、速度は一定、そして早めのアクセルオフ、が燃費に優しい走り方の基本です」

ここまでは、“発進”“巡航”そして“減速”について、エコドライブの基本をご紹介しました。 どの過程もとても丁寧な運転が必要であり、クルマに優しい運転が、地球へのいたわり、そして燃費節約にまで繋がっていくことがわかりました。

引き続き、エコドライブの初歩的なテクニックを学んだ後は、ティーダの燃費の良さについてご紹介します。

淵上さんは、ティーダの燃費改善にもかかわったそうですが、ティーダの燃費の良さについて教えてください。

淵上さん
「やはり、CVTオイルウォーマーは実燃費にかなりの効果がありますね。冬の寒い朝でも短時間で暖機することができるため、すぐに燃費の良い走りが可能になりました。

また、ティーダは同クラスのクルマよりもタイヤ径が大きい。タイヤ径が大きくて同じ速度で走る場合は、エンジン回転を低く抑えられるため、実用燃費が良いのです」

タイヤ径も影響しているということですね。他にティーダの燃費でこだわっている点は?

淵上
「改良したHR15DEエンジンとCVTは、アイドリング時の燃費も低減させています。今まではDレンジでアイドリングをしていると30秒で5ccのガソリンを消費していましたが、新技術を導入し、Dレンジのままでも30秒で4ccいかない程度にガソリン消費量を抑えています」

パワートレイン実験本部の淵上パワートレイン実験本部の淵上

なるほど、cc単位にこだわっているのですね。

淵上
「そうです。私たちが燃費について話す時はccの単位で話します。とはいえ、30秒のアイドリングで1cc違うということは、1分で2cc。60分で120ccものガソリン消費量の差が出てきます。

ティーダの場合は、ニュートラルでアイドリングしている時のエンジン回転数は700回転/分ぐらい。新技術を使ったDレンジの時のエンジンは537回転/分と回転が低いため、ティーダに関してはアイドリングする時にわざわざニュートラルにしなくても、燃費の良い状態を保つことができます」

cc単位のガソリン消費量にこだわった結果が、ティーダの燃費の良さに繋がっていったわけですね。

淵上
「またティーダは、他のコンパクトカーと比べて若干、重量があります。そして、さきほどお話したようにタイヤ径も大きめです。なので、アクセルを踏み込みすぎないことがポイントになります。最初にお伝えした“ふんわりアクセル”の効果が出やすいのも特徴です」

ティーダなりの効果的なポイントですね。

淵上
「ティーダはタコメーターもついているので、燃費のチェックとともに、エンジン回転数を上げないように意識したアクセルの踏み方を心掛けることをおすすめします。意識して続けていくと知らず知らずのうちに“ふんわりアクセル”が身に付くと思います。

ちなみにティーダの場合、エンジン回転数は一般道路で2000回転/分。高速道路の運転で2400回転/分くらいを目安に走っていただけるといいと思います」

速度の目安はありますか?

淵上
「法定速度を遵守するのことを前提としてですが、一般道路では45~50km/h。高速道路では80km/hが燃費にとってはベスト。そして一定速度での走行がのぞましいですね。また、上り坂での追い越しは避けた方がいいです。私の場合は、高速道路では車線変更を極力せずに、ずっとずっと80km/hで走ります」

わかりました。ずっと一定速度ですね。

淵上
「後ろにクルマがいると、あせってしまうこともあると思いますが、平常心を心掛け、速度を保つことが大事です」

ちなみに、他のクルマのオーナーさんにも使えるエコドライブ走法を知りたいのですが、燃費が良くなるちょっとしたテクニックについて教えてください。

「さまざまなシチュエーションで運転し、その時の燃費を把握しましょう」「さまざまなシチュエーションで運転し、その時の燃費を把握しましょう」

淵上
「1人でクルマに乗る場合は、荷物は助手席に置くことをおすすめします。
車体姿勢の話になるのですが、燃費を良くする走りのためには、クルマの重心を前の方にもっていき車体の下に空気を入れないようにしたい。

ですので、私は1人の時には荷物を助手席か、物によっては助手席の足元に置くこともあります。また、たくさん荷物がある時は荷室より後部座席に置くようにしています」

荷物の位置までエコドライブに関係するのですね。

淵上
「空気抵抗でいえば、スキーキャリアなども、かなり燃費に影響があります。使わない時は取っておいた方がいいでしょう。

また、エコドライブを意識して、夏場に窓を全開にしてエアコンをオフにして走行している方がいらっしゃいますが、これは実はあまり…」

良くないのですか!?

淵上
「そうですね…もちろんエアコンをつけても燃費は悪くなります。でも実は、4つの窓を全開にして走行した時の空気抵抗も、同じく燃費の悪化につながります」

なるほど、窓を全開にした時の空気抵抗も燃費に影響するのですね。

淵上
「運転手席だけ窓を開けるなど、できれば工夫したいところです」

荷物の位置や窓の開け方はすぐに実行できそうですが、メンテナンス方法やおすすめのパーツなどはありますか?

淵上
「ETCはおすすめです。料金所でゆっくりと減速、ゆっくり発進ができるので速度の変化が少なくなり、燃費が良くなります。

*2 指定空気圧は車種ごとで異なります。タイヤ圧基準値については、取扱説明書をご覧ください

メンテナンスに関しては、タイヤ圧が低いと燃費に悪影響ですので、常に基準値*2 にしておきましょう。
日産のお店でオイル交換をする時は、指定のオイルを使ってください。複数選べる場合は粘度の低いものを。オイルの粘度によっても燃費は変化していきます」

メンテナンスやパーツについてのちょっとした意識が、燃費の良い走りにつながっていくのですね。

淵上
「あとは、記録すること。走行中の燃費チェックも効果的ですが、走った後に燃費を記録しておいて、後日同じコースを走った時は、前回よりも良い燃費で走れるように意識することです。
そして、上り坂はこれくらいの燃費、一般道路はこのくらい燃費と、道路の状況に応じて燃費を細かく把握できるようになれば、さらに燃費は改善されるはず」

エコドライブって、テクニックも大切ですが、走る方の“日常的な心掛け”もとても大切な要素なのですね。

淵上
「さまざまな道路を走って、初めて“平均燃費”が出てきます。1回、2回の燃費ではなくトータルで燃費を見ていけると良いと思います」

以上、エコドライブについてパワートレイン実験本部の淵上夏次のインタビューをお届けしました。

淵上が言っていたように、ティーダでは燃費とエンジン回転数がチェック可能です。実際に試乗していただいて、試乗車でエコドライブを実践してみてください。燃費はほぼリアルタイムに変化していくので必見です。

※2008年10月掲載記事を再編集しました。

▲ページTOPへ