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  • Jul.13
  • Academic

各国の自動運転の取り組み

自動運転の研究・開発は自動車メーカーだけでなく、異業種も巻き込みグローバルで展開しています。しかし、現在のところ、各国によって自動運転のレベル(定義)はバラバラで、日本のように官民一体で取り組んでいる国もあれば、アメリカのように、州毎に異なる公道走行ルールが存在している国もあります。さらに国際条約に基づいて自動運転を実現させようとしている自動車メーカーと新規参入しているIT企業では自動運転そのものの捉え方が異なっています。

出展:日産自動車ニュースルーム

日本は官民一体で自動運転の実用化を目指す

日本では、政府による動きは2013年から始まっています。この年の10月に「ITS世界会議」が東京で開催されたのと同時期に「運転支援システム高度化計画」が発表され、翌2014年6月には具体的な「官民ITS構想ロードマップ」を発表しました(2015年6月に改定)。省庁間で横断的に研究するSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の中の「自動走行システム」領域も2014年から本格稼働しています。自動車メーカーも自動運転に対して取り組むことを2013年に発表しています。日本は2020年までに官民一体となって世界最先端のITSの構築を目指しています。

アメリカと国連の自動運転

一方アメリカですが、日本や欧州と根本的に異なるのは政府が認可を与える車両認証制度がないことです。各自動車メーカーはFMVSS(米国連邦自動車安全基準)に基づいて自らの責任で車両を販売しています。また州ごとの法律が異なるため、自動運転技術を搭載した車両を用いて公道実証試験を行う場合は州法に合わせた手続きを行う必要もあり、実際にいくつかの州では実証試験が行われています。自動車や歩行者の安全を監督するNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)は、完全自動運転に関しては時期尚早としており、各州に対して通達しています。

また国連ではUNECE(国連欧州経済委員会)の政府間会合において自動車の安全や環境基準に関する国際的な調和活動が継続的に行われています。その中でもドイツは日本と共にUNECEの下部組織にあたるGRRF(ブレーキと走行装置)の専門分科会(自動操舵専門家会議)において共同議長となり、定期的に自動運転に関する会合を設け、規則改正などを含め検討を行っています。

その点では日本とは近い距離を持つドイツですが、それでも実証試験に関しては法律内で特別扱いで認可したり、自動車メーカー側が確実に制御できることを前提に協議を行うなど、高いハードルがあります。国によって自動運転の規制はバラツキがある状況の中で、法規を満たし、ドライバーが乗車した状態でいつでもオーバーライド(手動運転に切り替えること)できる体制であれば公道走行を認めている日本は、官民一体で自動運転を促進させようという点でも意欲的であることがわかります。

出典:国土交通省 自動運転を巡る国際的動向(※外部サイトにリンクします。)

文章:高山 正寛(たかやま せいかん,TAKAYAMA-Seikan)

1959年生まれ。自動車専門誌で20年以上にわたり新車/カーオーディオ/カーナビゲーションなどの記事を担当し、フリーランスへ。途中、エンターテインメント業界で5年間ゲーム関係のビジネスにも関わる。カーナビゲーションはもちろんITS(高度道路交通システム)、先進安全技術、自動運転など各自動車メーカー、サプライヤー、官庁関連への取材多数。自動運転に関しては連携も考慮し、通信/PCを含めたデジタルビジネスの領域にも精通する。また自動車を産業面やマーケティング、組織、人材面からも捉え、アナリストとの連携も行うなど独自の取材スタンスを取り続けている。 2015-2016日本カーオブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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